夏祭りにおける世界平和と文化多様性の共存は可能か
こんにちは、タイトルはなんか難しそうな単語をくっつけただけで意味はありません。
暑いですね、毎日が暑いですね。主に暑いですよね。朝目が覚めて真っ先に思い浮かぶ気温のことですよね。窓を勢いよく開け放ち開口一番「暑い!!!」と拡声器で街中に轟かせたならばじきに集うモノトーンの車を上手く交わしてサウナへと足を運びます。
ここまでで1分かかっていません。
サウナへと着いたらすぐさま脱衣(まだ警官の追撃は続いています)、下半身に纏う下着は一旦外へでて看板に掛けておきます。こうすることで追っ手は「あれ、ここいつからパンツ屋になったんだ!?」と錯覚し永遠に見つけられることはありません。
さあ、全裸になったならば暑い密室へ続くそのドアを開けて進み出るのです!!どうです?オープンザドアった瞬間に感じる「ムアッ」とした熱気、おや、中には先客が居る模様!!熱気に負けないくらいの闘気を放つ大柄な、いや武骨な巨漢が10数名!!
しかしなにやら様子がおかしい!!な、なんてことだ!!互いに抱き合っている!!強靭な両腕を背へと廻し、屈強な脚を絡ませ、熱い口づけを交わしている!!!
ただでさえ暑いサウナ室の空気は漢たちの熱いキスでより高次元なものへと昇華されている!!
……余りの光景に気を失ってしまった……
〜〜〜しばらくして
…どのくらいが経っただろう、やがて目を覚まし周囲を見渡す。さっきのあれは夢だ、そう夢なんだ、そう、これは夢なんだ、目が覚めれば、僕は12歳、これから始まる夏休みに胸をときめかせ、女の子と遊んで、花火を見て、朝はふて寝を貪ってだりいなぁって思いながらプール行って。そんな生活が待っているはずなんだ…
そんな淡い幻想を打ち砕くかの様に僕の目に飛び込んできたのは依然変わらぬ地獄絵図。
鬼の様な漢たちが互いに互いを求め合い、まるで一体化するかのように密着し、愛を捧げ合い、口づけを交わして唾液の交換を図らい……
漢の口から溢れた唾液は雫となり万有引力の法則に従い地へと落ちる。その瞬間、目を疑うような光景が広がった。
シュウウウウッ!!!!
けたたましい音が耳を貫いたかと思うとなんと!!地面に大穴が開いていた!!いや、地面が融けたのか…!
漢の唾液が地面に着弾するやいなやその恐るべき酸性度で地面を溶かしたのだ!!
つ、つよい…とてもじゃないが勝てない…どうすれば……どうすれば……
と、その時に脱衣室からケータイが鳴り響く。
この音は……はっ!カレシのゆーやだ!!今度のディズニーデートの件かな?
急いで脱衣室に戻りケータイを取り出す。LINEを開くと果たしてゆーやからの連絡が来ていた。しかしそこに書かれていたのはデートプランの確認などではなく……
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そっ…そんな……
そこに書かれていたのはデートプランなんて甘い香りのするものではなかった…
「お前マジ無理、体臭ヤバすぎ、別れよう」
目を疑った。嘘。昨日まであんなに好きとか愛してるとか言ってくれたのに。
急いで返信する。
「どういうこと!?ねえ!!」
既読なし
「ねえ!!一回話し合おう?ね?」
既読なし
「嘘!!やだ!!やだ!!!」
…
…
…
…嘘だったの…そんな……
ゆーやの笑顔はもう見れないの…?
笑う時にうっかり核発射ボタンを押しちゃうゆーやの癖はもう見れないの…?
何度言っても治らなかった街中で銅像を見かけるとその両腕をもぎ取って「見てみて〜、ミロのヴィーナス〜^_^」って笑うゆーやの悪い癖、今となっては懐かしいな…
数々の思い出が、大切に大切にせき止めてた思い出が、ダムのように決壊する。それが涙となって頬を伝う。
ゆーや…
そう呟くと、顎から涙が零れ落ちた。
その美しい雨が地面に落ちるや否や、デジャヴを感じる爆音が周囲を揺らす。
そう、己の涙もまた、漢たちと同じようにその著しい酸性度故に全てを壊し、溶かし、砕いてしまう。
まるでゆーやとの楽しい思い出を壊すように、溶かすように、砕くように、……ケリヲツケルヨウニ。
気づくと先程まで燃えるような愛撫に洒落込んでいた漢たちがみな、こちらを見ている。
好奇と、懐疑と、驚きと、そして憎悪を交えた視線を感じる。彼らは、怒っているのだ。
それもそうだろう。自分たちの愛情表現を、営みを邪魔されたのだから。無事では済まないのは分かってる。でもただじゃ死なない、ううん、死ねない。
こっちだって愛する彼氏にこっぴどく振られて怒り心頭なのだ。今すぐ地球ごと吹っ飛ばして消えてなくなりたいところだけど、あんたたちを先に倒してからにする。
屈強なガチホモ軍団と恋に恋した1人の美少年、どちらが強いのか。それが今証明されようとしている。
もぅマヂ無理。 彼氏とゎかれた。
ちょぉ大好きだったのに、ゥチのことゎもぅどぉでもぃぃん だって。
どぉせゥチゎ遊ばれてたってコト、ぃま手首灼ぃた。
身が焦げ、燻ってぃる。 一死 以て大悪を誅す。
それこそが護廷十三隊の意気と知れ。
破道の九十六『一刀火葬』
戦争が、始まるーーーーーーーー